レストアに欠かせないブラスト加工ですが、加工方法にも種類があります。
当店ではルーツブロワー(低圧式)のサンドブラストをおこなっています。

ブラスト加工とは

圧縮した空気とともに砂状の研削材を吹き付けて対象物の表面を削る加工法です。 研削材の粒子の大きさを変えることで、エンジンの磨き上げから塗料の下地作成までさまざまな用途に使用します。 当店では研削材に、アルミナ・ガラスビーズや数μという非常に細かな銅のパウダーを使ったサンドブラスト加工を行います。 ウエットブラストに比べても直接投射材を当てることができるので作業も早く作業工賃も安くできます。 通常より細かな研削材を使うことで、ひどいアルミの腐食も加工表面を傷つけることなく新品のようにきれいになります。 銅の微粉を使うことによりキャブレターのフロートチャンバー内も加工できます。詰まり、ジェットの穴を広げる心配もありません。

ブラスターについて

サンドブラスト(エアーブラスト)技術は、1870年、船舶用の錆取り用にアメリカ合衆国のティルマン(B.C.Tilghman)により考案されました。 砂浜近くの家の窓ガラスが、早く曇ることにヒントを得て開発したと言われています。

当初は水蒸気を使用して研削材(サンド)を噴射して表面を荒らす加工を行っていました。 現在はコンプレッサーを使い、5kg/cm以上の高圧空気で研削材を噴射することが主流となっています。 しかし、いかに高圧とはいえども希薄な空気の中では、微量の砂しか動かすことが出来ません。 砂あらしは秒速20m~50m程の風に砂が運ばれて起こる現象です。 高圧の空気ではなく、砂を空気中に持ち上げる風量と、砂を動かす風速がによって「ブラスト」が起こります。 そもそも空気圧は関係ありません。 当店のブラスターはこのことに着目しコンプレッサーではなく、ルーツブロワーという容積式空気搬送機を使っています。

一般的なサンドブラスター(高圧式)の不合理性

空気を圧縮し圧力を高め、空気と研磨材をノズルから噴射して加工を行います。 コンプレッサーを使用するブラスターには「直圧式」と「サクション式」があますが、塗料スプレーと同じように、 ノズル内で発生する負圧を利用して研磨材をノズル内に引き込み研磨材をノズルから噴射させる「サクション式」が流通しています。 しかし、タンクに空気をため込んで噴射するため、下記のように無駄が多いのが難点です。

  • ノズルチップ内で空気の膨張がおこるため、噴射された研磨材は拡散する傾向がある。
  • ノズルチップ自体も摩耗がおこり、ノズルチップの口径が大きくなる。
  • そのため、噴射された研磨材は拡散し研削能力が下がる。
  • 研削材にエネルギーが転移しないまま、高圧空気を消費している。
  • タンクの空気が減ると連続での使用が難しい。

また、空気を圧縮するため、水分が発生する問題があります。水は圧縮できないので空気を高圧にするほど単位容積当たりの水分量は多くなり、ドレン処理の問題が起こります。 研削材は水分、湿気を嫌います。ガラスビーズを使用する場合に、湿度の高い日などは詰まり、研削能力の低下などの問題が発生します。

ルーツブロワ(低圧式)
の利点

ルーツブロワは容積形の送風機で、ピストンやロータの押し出しの運動により流体の圧力エネルギが得られる構造になっています。 圧力が変化してもあまり変わらない定風量特性があるのでブラストを行うに充分な空気量と風速を研削材に恒常的に供給し、「砂あらし」の状態を機械的に作り出すことができます。 長期連続運転が可能なので、風速が維持でき、研削能力が下がることはありません。 金属の表面加工なら、適量の研削材を適当な風速(たとえば風速60m。台風では屋根が飛ばされ街路樹は倒れる速度)噴射すれば問題はありません。 低圧式のブラスターでは空気の膨張(研削材の拡散)がないので細かな研削材も効率よく加工物に研削材を当てることができます。

ウエットブラストとの比較

ウェットブラストの最大のメリットとしては空気の代わりに水を使って研削材をとばせることで、ドライでは不可能な粒子の細かな研削材を使って表面加工ができることです。

表面の美装を目的とした場合、当然使用する研削材は粒子が細かく軽い物の方がきめ細やかな仕上がりとなります。 ほとんど場合、ガラスビーズを使用しますが、エアーブラストの一般的なサクション式の場合、 #150 を使用します(数値が高いほうが細かい)。 高価な業務用の直圧式エアーブラストで #250 くらいが効率を考えると限界だと思われます。 アルミの地肌のようなツルツルとした表面仕上げにはもっと細かな #800 ~ #1000 のガラスビーズを使用します。 これくらいの細かさになると圧縮空気で飛ばしても研削材自体にエネルギーが伝わらないので加工物に当たっても研磨能力が低く加工に時間がかかってしまいます。 時間がかかるということは研削材が当たる回数も増えるという事でそれによって研削材自体が破壊され最終的には加工が出来なくなってしまいます。 (わかりやすく言えば、とても弱い力で目の細かい #1500 のサンドペーパーを掛けているようなものでとても効率が悪いのです。) ウェットブラストは、その軽い研削材を力強く当てるために重い水を使うのですが、逆にその水がクッションとなって(研削材と加工物の間のバリアになってしまう)研削能力が低下してしまいます。 ウエットブラストは加工に時間がかかると言われますが諸刃の剣と言ったところでしょうか?

当店では、アルミナ・ガラスビーズや数 μ という非常に細かな銅のパウダーを使ったサンドブラスト加工を行うため、ウェットブラストと同じくらいの表現加工ができます。