エンジンの整備はひとまず終了したので、
今回のメインの仕事の前後足回りのカスタムに進みます。

お客様からは最初フロントが倒立、リアが定番の’89 TZR250(3MA) のスタビ付スイングアームに前後 17 インチホイールという希望で相談を受けました。
フロント倒立はさほど問題はないのですが、リアに 3MA の足回りは正直、色々問題が多すぎで当店では製作しません。

まずスイングアーム長が長すぎるので、ホイールベースが長くなりバランスが悪くなります。
よく 無理やり 3MA のスイングアームを取り付けて、スイングアームの垂れ角が異常に大きくなっていたり、車高が高くなっていたり、操安性やサスの動きなど何も考えてなく、とりあえずついてればOKみたいな車両を多く見かけます。

次に、ピボット径が違い、ピボット幅もかなり違うので
加工に手間とお金がかかるということです。
また 3MA ではスタビライザーが下側なのでチャンバーとの干渉の問題もあり、手に入り易いってことくらいしかメリットがなく、余程のことがない限り使用しません。
ですので、お客様と相談してこちらのアドバイスを受け入れていただき 1XG のスイングアームとほぼ同じ長さの ’88FZR400(3EN) の物を使いカスタムすることに決定しました。

純正流用で RZ-R とほぼ長さが同じアルミスイングアームは FZR400(1WG/2TK/3EN) と TDR250 くらいしかありません。

86 RZ250R リア足回り 画像1

レーサーレプリカ全盛時に1988年の1年間だけ造られたFZR400のスイングアームです。
車両自体ほとんど売れてなく(その当時はZXR400オンリーの時代でしたので。。。)
現存してるものも少ないので手に入れるのはかなり困難ですが、当店に2個あった内の貴重な1本を使用することにしました。

下の写真は左から1XG 3HM 3EN ですが、3HM(’88RZ250R)は前後 17 インチということで 1XG より 10mm スイングアームが長くなっています。 3HM と 3EN は同じ長さでピボット-アクスル間が 480 ~ 525mm です。

またピボットシャフト径も同じなのでピボット部の幅詰めだけでいけるので加工に手間がかかりません。

86 RZ250R リア足回り 画像2

次にリアショックですが、RZ-R のリアサスのリンクはモノクロス初期の頃の物なのでパンタグラフ式になっていて他車からの流用ができません。

今回はお客様の要望もあって、お金かかってもいいからいい物を作りたいということで、リアショックもワンオフ スペシャルで製作しました。
WP様のご協力で長さ、バネレート、ストローク、減衰もこちらの希望通り製作していただき取り付けもフレーム無加工で行けるようボルトオンで取り付けれるようにしていただきました。野村さん本当に感謝しています。ありがとうございます。

このショック(リンクも含め)を商品化しようと思って計画が進んでいます。
はっきり決まりましたらまた報告させていただきます。
当店の足回りカスタムはフレームを切ったり貼ったり、溶接したりしないというのが大前提です。
なので、リンクも RZ-R に合う長さの純正流用できるものがほとんどなく、本当ならアルミ削り出しで製作しようと思っていたのですが、このショックを作っていただいたおかげで YZF-R6 のリンクを数点の部品変更で使用できるようになりました。

RZ-R のリンクアームの取り付け部がフレームのかなり下側になるので、なかなか合う長さのものがなく 3MA では長すぎて話にならないし、R1-ZやFZRでは短すぎてスイングアームのピボット部とショックが干渉して取り付けできません。
この R6 のリンクは RZ-R 足回りカスタムの為に作られたと言っても過言でないくらいドンピシャのサイズで、剛性も問題ないしっかりした作りですし、なにより純正部品で入手できるので値段が安い! そこが一番のメリットです。

他にも色々メリットがあるので次回取り付けながらのレポートの際に詳しく書いていきたいと思います。

86 RZ250R リア足回り 画像3

リア回りの部品が全て揃ったので作業に入ります。
まず1XGのリア周りを全部外します。
今回のお客様の車体にはセンタースタンドがついているので作業が楽です。
昔は倒すと擦るし重いし邪魔だなって思ってたセンタースタンドですが、リアの足周り作業するときにはとても重宝します。

86 RZ250R リア足回り 画像4