今回のご依頼はエンジンをフルオーバーホールしてほしいとのことでしたのでエンジンを降ろして腰下まで分解します。

走行距離は約 9000km なので、距離的に言えばフルオーバーホールしなくても大丈夫なのですが 1XG も、もう販売されてから27年が経ちます。

クランクやウオーターポンプのオイルシールの劣化も心配もあるし、長く乗られたいとの希望ですので、ちゃんと O/H します。
今回はオーバーフローでクランクにもガソリンが回ってるので尚更です。
エンジンを降ろす前にミッションオイルを抜いたら、ちょっと量が少なめ…
ひょっとして右側のクランクのシールが逝ってるかな? って感じです。

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で、エンジン降ろしてシリンダー外したら、クランクケース内に
たっぷりガソリンが…(笑)
ベアリングの油分も完璧に洗い流されてます。
腰上は、シリンダーは少し表面のサビはありますが傷もなく状態は良いです。
ピストンは吸気側に少し縦傷がありました。
焼き付きとかではなく、吸気ポートのバリによる傷だと思われますので 最初のオーナーがちゃんと馴らしをしてなかったって感じでしょうね。

ピストンは軽くペーパーで修正すればOKです。

YPVS は少しカーボンの付着がありましたが 9000km ならこんなもんでしょう。
腰下もバラシてクランクのガタ、大端部のクリアランスを確認しましたが問題なし。
オイルシールはリップ部に少し硬化が見られました。

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距離が少なくても乗らない期間が長ければシールやゴム類は劣化します。
硬くなったシールは密閉性が悪くなるので、ミッションオイルがクランクケース内に入りミッションオイルが減っていたと思われます。

右側のマフラーからの白煙が異常に多かったり、オイルの焼ける匂いがいつもより
違ってた時(4サイクルオイルやミッションオイルは燃えると甘い匂いがします)は
要注意です。
知らないまま走っててクラッチやミッションをダメにした車両を
過去に何台も見てきました。

シフトロッドやウオーターポンプのインペラーシャフトのシール部の段付き摩耗も確認しましたがほとんど減りはなくメーター通りのエンジンだと判断できます。